玉川田園調布住環境協議会

 玉川田園調布一・二丁目地区では、住民が自分たちで住環境を守るためのルール「地区計画」・「まちづくり協定」をつくりました。そのルールづくりを行い、守ってもらうための活動を続けているのが玉川田園調布住環境協議会です。

設立の経緯

 田園調布は大正末頃から昭和の初めにかけて、英国の都市計画家エベネザー・ハワードの田園都市構想を取り入れ、緑豊かな田園都市を目指して開発されました。これは行政区割りを超えて計画され、現在の大田区と世田谷区にまたがっています。大田区のほうが「田園調布」、世田谷区のほうが「玉川田園調布」となりました。

 その後、相続が重ねられるにつれ土地の分割が行われ、しだいに敷地は狭く、庭はなくなり、緑の減少が進みました。さらにバブル期にミニ開発が行われるようになり、住民の間に良好な住環境が維持できないという危機感が広がりました。地域の町会である玉川田園調布会は、この問題に積極的に取り組むことになり、玉川まちづくりハウスが専門知識と経験を生かして協力することになりました。

 地区の問題を解決するには世田谷区の街づくり条例に基づく「まちづくり協議会」の設立が必要だということになり、1996年に準備をはじめました。都市計画法による「地区計画」という地域独自のルールをつくることを目的とし、97年に玉川田園調布住環境協議会としてスタート、12回の協議会を経て98年に「玉川田園調布一・二丁目地区まちづくりについての提案」を世田谷区長に提出しました。その提案をもとに2000年に「地区計画」と「まちづくり協定」が施行されました。

 地区計画が発効して20年が経ちました。玉川田園調布住環境協議会は地区計画・地区街づくり計画と、これと一体のまちづくり協定を知っていただき、これを活かすことを主な仕事としています。協議会は建主、施工業者と案件毎に協議し、近隣とのトラブルを防いできました。


玉川田園調布住環境協議会・計画確認チーム

 「地区計画」と「まちづくり協定」の施行後も、それを守ってもらうために何らかのチェック機構が必要との意見がまとまり、計画確認チームが発足し活動を行っています。主な活動内容は、地区計画、建築基準法、地区まちづくり計画、協定が守られているかをチェックする、地区計画および協定の内容を業者や購入者に知らせるなどです。玉川田園調布一・二丁目地区に建物を新築される方には事前に計画の説明をお願いしています。
詳しくは、こちらをごらんください。


たまでん

玉川田園調布住環境協議会の活動については、年2回ニュースレター「たまでん」を玉川田園調布一・二丁目に全戸配布、および地区外地権者に郵送し、報告しています。 玉川田園調布住環境協議会についてもっと詳しく知りたい方は、ハウスの冊子「地区計画とまちづくり協定のつくり方」をご覧ください。


玉川田園調布一・二丁目地区の地区計画、まちづくり協定


相談日
電話にて候補日をお知らせください。世話役と日程調整の上、ご連絡します。
TEL:03-3721-8699 玉川まちづくりハウス内 玉川田園調布住環境協議会事務局
緑化について
緑豊かな住環境を守るため、空地の25%の緑化、特に道路から見える場所の植栽を心がけていただける様お願いします。
車庫・塀について
シャッターは防犯対策から、できれば見通しのあるものを採用していただきたく、材質や色への配慮もお願いします。
敷地周辺の塀は高さ1.2m以下でお願いします。
近隣への配慮
騒音対策として、特に既存建物の解体や音の出る地業の際、近隣への配慮をお願いします。また、建物解体前の説明会は、時間に余裕をもって行っていただけます様お願いします。工事中、業者の方の路上駐車で苦情がでることがありますので、駐車場の確保をお願いします。
その他
隣家の南面をのぞき込むことのないよう、北側の窓は不透明なものにしていただけるようお願いします。空調屋外機の置き場所については、振動や熱等が隣家へ影響しないよう、配慮をお願いします。


事例:相続した土地を業者任せで分割、思わぬ結果に…

 相続が発生し、土地を分けることはよくあります。この事例も相続により、自宅の建っている敷地を半分、親族が相続することになった場合のことです。これもまた、よくあることですが、建物が敷地の北側に建っていたので、南の庭のほうを譲ることになりました。分割する際に業者に任せ、機械的に線を引いたため、南テラス窓から50cmのところから相手方の敷地となってしまいました。
 そのときは気がつかれなかったようですが、親族がその土地を売却し、買い手がそこへ住戸を建設する段階になって、日照のこと、視線のことが問題となりました。住環境協議会に相談に来られましたが、相手方は基準法も地区計画の規定も遵守している、隣棟間隔75cm以上に反しているのはむしろ元からいるほうであると主張され、このような状況に有効なアドバイスができずに終わってしまいました。
 土地を分割する場合は、地域の状況、法律、制度を頭に入れてから行わないと、後から思わぬことになるという例です。

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